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私たちの老後は、案外充実するのではないかと言う話

年老いた両親や親類を見ていて、自分は老後に何をしようかと考えることがある。

私はゲームが好きだ。
ゲームをしていると数時間が一瞬で吹き飛ぶ。本当に恐ろしい娯楽だと思う。時間がいくらあっても足りない。

反面、最近のゲームの流れとしてオープンワールドでやり込み要素の深いものが好まれる傾向にあり、クリアまで数百時間オーバーの大作がいくつも生まれている。
そう言ったゲームが面白いと話題になるたび、やりたいと思いつつ「そんな時間ないから無理」と最初からプレイを諦める自分がいる。
いつかそう言った大作を、何日もぶっ通しでプレイしたい。そう思いながら、週末ちまちまゲームプレイを楽しんでいる。

この「いつか」はいつなのだろう。老後なのではないか。

昔の娯楽と今の娯楽で大きく違うなと思うのは、今は膨大な時間を消費する娯楽が、安価で大量に用意されている点だ。

アマゾンビデオは月300円で見放題。
面白いと絶賛されているウォーキング・デッドは1シーズン16話で、すでにシーズン6まで配信されている。
もちろんいくら見ても無料だ。
軽く計算してみたところ、全て見るのに64時間かかる。1日2話ずつ見ても1ヶ月以上楽しめる。

私だけでなく、私と同じ世代はたぶん、老後の趣味には困らないのではないか。
身体が満足に動かなくなっても、テレビの前に座ればゲームで色々な世界にいける。
海外ドラマも、映画も、安価で見切れないほど用意されている。お金もさほどかからない。
雑誌や漫画の無料配信サービスも充実している。

最近趣味について感じているのは「いつまで経っても追いつけない」と言う感覚だ。
平日は帰ったら食事をして寝てしまうし、土日の時間で趣味を楽しむのがせいぜいだ。
アニメもいつしか追いつけなくなり見なくなってしまった。
ゲームも、ドラマも、こちらがちまちまと消化している間にその何倍もの速度で新しいものが次々とリリースされる。
安価で大量に用意されている娯楽を、まったく消費できていない。
働いている限り、きっと私はいつまでも追いつくことができないだろう。

老後に対しては、悲観的な意見が多い。
しかし、私は老後がちょっと楽しみだ。
定年前にリタイアしたいとは思っているが、仕事をせず、その罪悪感無く、1日趣味に没頭できるなんて最高じゃないか。
早く来い、老後。